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外来診療

整形外科

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運動器の障害、外傷全般を診察します。

運動器とは、健康な身体活動に必要な、骨、関節、靭帯、筋肉、脊髄や末梢神経などのことをいいます。整形外科では、運動器のけが、痛み、知覚障害、運動障害などを診療いたします。当クリニックでは、皆様の症状や検査結果をもとに的確に診断を行い、個々に適した治療方針を提案いたします。

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当クリニックの整形外科の特徴

3.0テスラMRI 当クリニックは、充実したスタッフと先進の検査機器を駆使し、迅速な診断と治療を目指しています。また、特殊な検査や手術が必要と判断された場合には、然るべき医療機関にご紹介します。

部位別症状解説

首の障害 肩の障害 上肢の障害 腰の障害 膝の障害 足の障害 骨粗鬆症

首の障害

首の痛 整形外科には、首の痛みに悩む患者さんが多く訪れます。その年齢層は20-30代の若年層から中高年層まで幅広いのが特徴です。


■パソコン作業などによる慢性的な首の症状

若年の患者さんの首の痛みの原因として、首を支える筋肉の過度の緊張と疲労が組み合わさって生じるケースがあります。たとえばパソコン作業や書類作業など、首に負担のかかる姿勢を長時間続ける方には、慢性的な痛みやこわばり感が現れることが多いです。

昨今、レントゲンで頸椎(首の骨)がまっすぐに見える「ストレートネック」が痛みの根源であるという説明を見聞きすることがあります。あたかもストレートネックを外から矯正することですべて解決するかのようです。ここで注意が必要なのは、背骨のカーブ(生理的弯曲と言います)は、生まれ持った骨格と、その周りの筋肉の緊張によって決まるという事実です。女性に多い「なで肩」の患者さんのレントゲンを撮ると、何も異常がなくとも首が長くまっすぐに見えます。また、慢性的な首の痛みのある患者さんは、頸椎の障害や不良姿勢によって首周りの筋肉が過度に緊張していることが多く、そのために頸椎のカーブが一時的に変わっています。そのような患者さんは頸椎の障害が治ると筋肉の過緊張も取れて自然に元に戻ります。つまるところ、ストレートネックは原因というよりむしろ結果に近いものです。頸椎の障害がある場合にはその治療を優先し、その他には首に負担のかからない姿勢を保つよう心がけたり、ストレッチングや運動で筋肉を柔軟に動かしてやったりすることも有効です。なお、いわゆるストレートネックが整体や枕で医学的に矯正されることはありませんのでご用心。


■変形性頸椎症と、頸椎椎間板ヘルニア

他に多いのは、主に中高年以降の方に見られる変形性頸椎症です。これは加齢に伴う椎間板の変性と、骨と関節自体の変形が原因となります。 変形した骨や関節の組織が近くを走る神経を圧迫することにより、首から上肢にかけての痛みやしびれを感じることがあります。 この痛みは放散痛と呼ばれ、上肢の特定の領域に”電気が流れるような”強い痛みとなる場合があります。このような症状をきたす疾患に、椎間板が飛び出して神経を圧迫する頸椎椎間板ヘルニアもあります。 また、比較的まれですが、背部や上肢のしびれや脱力をきたす脊椎の病気として後縦靭帯骨化症という病気もあります。この病気は頸椎に多く、脊髄神経のすぐそばにある靭帯の異常な骨化によって脊髄が圧迫されて発症します。これらの病気では、神経の圧迫症状が強くて頑固な場合には手術が行われることがあります。


■首の外傷

首の外傷としては頸椎捻挫、いわゆる「むちうち症」や「寝違え」がお馴染みです。
頸椎捻挫はスポーツ外傷や交通事故で起こりますが、ほとんどの場合はレントゲンやMRIでも異常は認められず、自然の経過で治癒します。 症状の強い急性期を過ぎたら、早期の運動療法が有効です。

寝違えは誰でも一度や二度は経験があるでしょう。これは熟睡中の不自然な首の姿勢により、筋肉や靭帯が無理に伸ばされることにより生じます。 これも自然に治癒しますが、時に頭を動かせないくらい強い痛みを訴える方もおり、その場合には適切な薬物療法や理学療法が助けとなります。


肩の障害

肩の痛 肩の障害の原因として、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)、石灰沈着性腱炎、腱板損傷、関節唇損傷などがあります。


■中年以降に見られる肩関節周囲炎

特に多いのは肩関節周囲炎(五十肩)で、中年以降、特に50歳代周辺によく見られます。肩関節を包む筋肉の腱や関節包(関節の袋)などが老化や使い過ぎのために損傷し、炎症の原因になるとされています。 石灰沈着性腱炎も広義の肩関節周囲炎に含まれますが、その特徴は、突然の激しい痛み、熱感、腫れが肩に現れること、レントゲン写真で痛みの場所に一致した石灰の沈着が認められることです。 この激しい痛みは数日の間に軽くなっていきますが、発症直後はあまりの痛みのためにほとんど腕を動かせない患者さんもいます。いずれの病態についても薬物療法(内服、外用、関節注射)と理学療法が治療の中心です。 肩関節周囲炎は、関節の動きの幅が狭くなる「関節拘縮」をしばしば伴い、ひとたび慢性化すると回復までに数か月から1年くらいかかることがあります。 痛みの強い急性期を過ぎたら、早期から積極的なリハビリ(柔軟体操)を開始することが重要です。


■肩を酷使する人に多い腱板損傷、関節唇損傷

腱板損傷や関節唇損傷は、肩を酷使するスポーツや仕事、あるいは外傷により起こることが多いです。重症例では痛みだけでなく肩の筋力低下と可動域制限を伴うため、若年から壮年の患者さんでは損傷を修復するための手術が行われる場合もあります。


上肢の障害

手の痛 人体の中で上肢が最もけがをしやすい場所であることは皆さんにも容易に想像できるでしょう。切り傷、擦り傷、打撲、捻挫、脱臼、骨折など何でもありますが、すべて整形外科での治療の対象です。けがの他にも手の筋肉や腱、末梢神経の障害で整形外科を受診される患者さんは非常に多いです。


■肘の痛み

肘の痛みで最も多いのは上腕骨外上顆炎です。俗にテニス肘とも呼ばれますが、テニスのようなスポーツに限らず、手作業が多い方にしばしば見られます。これは手首や指を伸ばす筋肉の腱が上腕骨(二の腕の骨)に付着する部位の慢性的な炎症であり、基盤には加齢やオーバーユースによる筋肉と腱の変性があります。肘の外側の痛みのために重いものをつまみあげられない、ドアノブが回しづらいなどの症状が特徴です。近年のパソコンの普及により、長時間のマウス操作も大きな原因の一つになっているようです。治療には薬物療法や装具療法が行われます。


■手のしびれ

脳や脊髄ではなく末梢神経の病気で手がしびれることがあります。代表的なものとしては、手根管症候群や肘部管症候群などがあり、末梢神経の慢性的な圧迫が原因です。それぞれ、親指側の手掌から指、小指と薬指を中心としたしびれや知覚低下を特徴とします。 局所の安静や薬物治療で改善することもありますが、重症例では運動神経の障害により筋肉が麻痺することもあり、油断は禁物です。重症の場合には手術により神経の圧迫を開放します。


■手指の痛み

指を曲げ伸ばしする時の痛みとして、 狭窄性指屈筋腱鞘炎(ばね指)やドケルバン腱鞘炎が有名です。前者は親指、中指、薬指に多く、指の曲げ伸ばしの際にばね仕掛けのようにパチンと動くのがばね指という俗称の由来です。後者は親指や手首の動きにより親指の付け根から手首に強い痛みを感じます。慢性例で薬物療法や腱鞘内注射に反応しない場合には、手術が行われます。


■手の関節の腫れ

指や手首の関節が腫れる病気といえば関節リウマチが有名です。関節リウマチは、血液検査、理学検査、レントゲンなどの画像所見により総合的に診断を確定します。近年、有効性の高い生物製剤が続々と導入されたことにより、治療予後はそれ以前に比べて劇的に改善しています。

しばしば関節リウマチと間違えられるのがヘバーデン結節やブシャール結節と呼ばれる指の関節の変形です。これはそれぞれにDIP関節(いわゆる第1関節)、DIP関節(第2関節)の変形性関節症であり、関節リウマチのような炎症性疾患によるものとは一線を画しています。その原因としては体質的な要因や加齢による影響が大きいと考えられており、強い痛みや皮膚の障害を伴わなければ特に治療を必要としないケースが多いです。


腰の障害

腰痛 腰痛は、整形外科を受診する患者さんが最も多く訴える症状の一つで、とてもありふれた症状であり、その腰痛の原因にはさまざまなものがあります。若年から壮年期に多いのは、腰椎椎間板ヘルニアや腰椎分離症、壮年期から老年期に増えてくるのが変形性腰椎症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折などです。その他、レントゲン写真やMRIでもほとんど異常が認められない腰痛も少なくありません。主に長時間の姿勢不良や筋肉疲労、その他に精神的ストレスも影響すると考えられています。



■長期間改善しない「ぎっくり腰」には注意

いわゆる「ぎっくり腰」と呼ばれる症状は、強い急性腰痛全体を指す俗称です。欧米では「魔女の一撃」と表現されたりします。急性腰痛の原因としては椎間板ヘルニアが多く、一般的には特別な治療をしなくても時間とともに自然に症状が改善することがほとんどです。 痛みが少し軽くなってきたら、早期の運動療法が有効です。ただし、痛みが強くて動けないような時には、通常の薬物治療に加え、コルセットの装着や、硬膜外神経ブロックなどの注射が有効な場合もあります。

注意が必要なのは、完全に安静にしていても強く痛む、数週間から数か月たっても痛みがまったく改善しない、臀部から下肢にかけて電気が走るような痛み(放散痛)がある、下肢のしびれや筋力低下が強く歩行が困難である、高熱を伴っている、などの場合です。前述の椎間板ヘルニアの他に、腰部脊柱管狭窄症や骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折、頻度は低いですが化膿性脊椎炎や悪性腫瘍の骨転移などが潜んでいることがあります。上のような症状があれば早めの整形外科受診をお勧めします。


膝の障害

膝痛 膝の障害は社会の高齢化とともに近年とても増えてきました。中でも特に多いのが変形性膝関節症です。


■変形性膝関節症の治療

変形性膝関節症とは、老化、体質、外傷、あるいは炎症などによって関節軟骨の変性と摩耗が進み、関節周囲の骨に変形をきたした状態です。 これは膝に限らず、他の関節でも発症します。それではなぜ膝の変形性関節症の患者さんが特に多いのでしょうか。それは起立歩行時に常に全身の体重がかかること、動きの範囲が非常に大きいことなど、二足歩行を行う人類にとって宿命的な構造上の弱点を抱えているからです。

残念ながら、すでに軟骨がすり減って変形が進んでしまった場合には、薬や栄養補給で元の健康な軟骨に戻すことは困難です。歴史的に多くの試みがなされてきましたが、医学的に明らかな有効性が認定されたものは今のところありません。

膝の痛みや可動性の低下に対する治療としては、消炎鎮痛剤の内服・外用、ヒアルロン酸製剤の関節内注射、理学療法などが有効であり、それぞれの症状や生活環境に合わせて適した方法を選択します。以上の治療でも症状が取れず、日常の活動に多大な困難を伴う場合には手術が選択されることがあります。


■スポーツによる膝の障害

膝はスポーツによる障害も少なくありません。成長期に多いオスグッド病などの骨端症、疲労骨折、青年期以降に多い半月板損傷、靭帯損傷、滑膜ひだ障害、大腿四頭筋腱炎、鵞足炎など、さまざまな障害が起こり得ます。激しい運動の後や膝を強く捻った後に痛みや腫れが続くようであれば、まずは整形外科を受診してください。


足の障害

足の痛 足というのは、来る日も来る日も気まぐれなご主人様の全体重を支え続ける辛抱強い奴です。ああそれなのに、ご主人様から優しく見つめてもらうこともなく、窮屈な靴の中に長時間押しこめられ、蒸し暑い靴下をやっと脱がせてもらったと思えば「臭い、汚い」と罵声を浴びせられる始末です。 決して贅沢は言わないからもう少しだけ労わって欲しい、という控えめな足の叫びが聞こえませんか。

足の障害には、いわゆる使い過ぎ、すなわちオーバーユースによるものと、骨・関節の変形によるものが多く見られます。


■スポーツ愛好家に多い中足骨疲労骨折

若年から壮年の陸上やサッカーなどのスポーツ選手・愛好家に多い中足骨疲労骨折は、オーバーユースによる足部の重大な障害の代表格です。 連日の過度の走り込みやジャンプで受ける物理的ストレスが積み重なると、骨に微小な傷がつき始めます。最初のうちは、走り始めや、その部分を押した時に痛んだりする程度ですが、そのまま我慢して毎日運動を続けていると、次第に持続的な痛みに変わり、ついには骨に亀裂が入ります。
難治性の場合には手術も必要となります。特に第5中足骨は他の骨折に比べて骨がつきにくい傾向にあります。残念ながら、過度な運動負荷を減らすに勝る予防と治療はありません。怪しいと感じたらX線やMRIによる診断をお勧めします。

その他には、歩行時にアキレス腱の周りが痛むアキレス腱周囲炎、足底の踵付近に痛みが走る足底筋膜炎および有痛性踵骨棘などが多く、これらもオーバーユースと密接に関係します。痛みの場所に負担が集中しない運動の工夫や靴選びが大切です。


■女性に多い外反母趾

外反母趾は特に女性に多く、関節リウマチでもしばしば見られますが、ほとんどの外反母趾は関節リウマチとは無関係です。典型的には、土踏まずのアーチが崩れて扁平足気味となり、母趾は付け根の関節(MTP関節)で外向きになります。 重症例では母趾が大きく曲がって隣の趾に食い込んだり重なったりします。このような状態になると、靴による慢性的な摩擦・圧迫や、MTP関節の変形性関節症のため、歩行時の痛みを感じるようになります。 また、足の変形によって一部の皮膚に圧力が集中するようになると、胼胝(たこ)や鶏眼(うおのめ)ができやすくなり、これも痛みの原因となります。

この外反母趾は加齢とともに徐々に変形が進むことが多く、体質的な要因と年齢の要因の双方が関係しています。 ただし、外見さえ気にしなければ本当に治療が必要となるのはごく一部です。痛みで困っている患者さんに対しては、薬物治療の他に、母趾部に余裕のある靴を選ぶ、外反母趾用装具を装着するなどが一般的です。それらを用いても症状が強い場合には手術も検討されます。


骨粗鬆症

骨粗鬆症

■骨粗鬆症とは?

我々の骨は20~30代をピークに徐々に減っていきます。全国の紳士淑女がどんなに体を鍛えようと、どんなに若作りしようと、どんなに栄養に気を使おうと、骨は減ります。骨の数は減りません。骨の中身、すなわち密度が減ります。骨の密度が減り、骨の質が低下し、脆くなった状態が骨粗鬆症です。


■骨折をもたらす骨粗鬆症;高齢者では寝たきりの原因にも

さて骨が減ると何か困るでしょうか。実際は減るだけなら痛くも痒くもありません。骨が減ると骨折しやすくなるから困るのです。骨粗鬆症の患者さんは、屋内でつまずいて転んだり、ちょっと尻もちをついたりしただけで骨が折れることがあります。

骨粗鬆症に多い骨折として、脊椎圧迫骨折(背骨)、大腿骨頸部骨折(脚のつけね)、橈骨遠位端骨折(手首)、上腕骨頸部骨折(腕のつけね)などが有名ですが、他に肋骨や恥骨の骨折も珍しくありません。この中でも特に大腿骨頸部骨折は治療に手術を必要とすることが多く、生命予後にも影響する重大な骨折です。脊椎圧迫骨折は手術を要することはほとんどありませんが、大腿骨頸部骨折と並び、高齢者が寝たきりになる大きな原因の一つです。


■骨粗鬆症の原因

全身のあらゆる骨は、古い骨を分解吸収する骨吸収、そして新しい骨を生成付加する骨形成という作業を休む間もなく続けています。何らかの原因で両者のバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回る状態が続くことが骨粗鬆症につながります。加齢が最も大きな要因ですが、 特に女性の場合には、骨を守る働きをしていた女性ホルモン分泌が閉経により低下するために骨吸収が急激に進み、閉経後骨粗鬆症と呼ばれる状態になることがあります。 その他にも、ステロイド剤などの薬剤の長期投与、栄養失調、あるいは関節リウマチなどの一部の病気では骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨粗鬆症になりやすくなることが知られています。


■骨粗鬆症の予防と治療

骨粗鬆症を予防・治療するには、栄養、運動、薬剤の三つの柱があります。

骨の栄養と言えばカルシウム、と皆さん刷り込まれておられることと思います。カルシウムは生体活動に必須のミネラルであり、骨はその貯蔵庫としての役割もあります。 もし血中のカルシウム濃度が低くなれば、生体は骨からカルシウムを溶かし出すことによって濃度を保とうとします。普段からの必要十分なカルシウム摂取が大切です。ただし、高級なサプリメントを大量に飲んだとしても、含まれるカルシウムがすべて骨になるわけではありません。必要量以上のカルシウムはすみやかに尿や便として排泄されるだけなのでご注意ください。

骨の健康には運動による物理的刺激も大切です。例えば無重力空間に滞在する宇宙飛行士は、わずか数日の間で急速に骨が減ることが知られています。 宇宙飛行士は極端な例ですが、我々一般人も、外傷のために手足をギプスで固定されたり、病気で寝たきりになったりすれば、やはり骨は減ります。歩くだけで、体操をするだけでも骨の健康を保つ効果はあります。継続は骨の力です。


■骨粗鬆症治療薬

ビタミンD誘導体にはカルシウム代謝のバランスを保つ働きがあり、特に日本では骨粗鬆症患者さんに多用されてきました。しかし、骨を増やす作用は非常に弱いものであり、単独で骨粗鬆症を治療するにはやや力不足です。 皆さんお馴染みのカルシウム剤も同様です。先述の通り、どれだけ多くのカルシウム剤を口にしても、カルシウムを効率的に吸収し骨を作る力が伴わない限り、そのまま骨になることはありません。実際に、カルシウム剤だけではほとんど骨は増えず、骨折を予防することはできないことが知られています。 他の治療薬が充実してきた現状では、何らかの原因でカルシウム摂取量・吸収量が著しく低い患者さんに対して、あくまで補助的に使用するのが適切でしょう。

骨密度を高め骨折を予防する薬は1990年代後半にようやく市場に登場しました。それまでにも骨粗鬆症治療を謳った薬はありましたが、骨折を予防する効果が明らかに証明されたものは無いに等しかったのです。 これはビスフォスフォネートという骨吸収抑制剤であり、現在でも骨粗鬆症治療の主流を占めています。最近では、患者さんの利便性を高めるために週に1回や、月に1回の服用で済む製剤が増えています。 同様な骨吸収抑制剤として、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)も女性の閉経後骨粗鬆症に広く使用されています。また、最近では骨吸収を強力に抑制する生物学的製剤も登場し、その効果が期待されています。

数年前に骨形成促進剤が開発されたことで、これまで骨吸収抑制一辺倒だった骨粗鬆症治療の選択肢が広がりました。これは副甲状腺ホルモンというカルシウム代謝を調節するホルモンの類似物質であり、ビスフォスフォネートよりも強力に骨を増やしますが、毎日もしくは毎週の注射が必要であること、比較的高価であることから、他の薬で十分な効果が得られなかった重症患者さんに対して使用されます。その他にも続々と新薬の開発は進んでおり、遠くない将来、多くの患者さんがその恩恵に浴すことができることでしょう。

定期的な骨密度検査は骨の健康を調べるための有力な方法です。もしご心配があれば整形外科にご相談ください。

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