外来診療

手外科外来

主に更年期以降の方の、手の不調を治療します。「指や手首が痛い」「手がしびれる」「指の関節が変形してきた」といった不調を「年のせい」と諦めず、手の機能回復に特化した治療で改善を目指しましょう。手のお悩みを抱える皆様が、健やかな日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。

こんな症状のときに

手のしびれ

指や手首の痛み

指の関節の変形

手がうまく動かせない

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受診希望月の3カ月前からご予約を承っております。

毎月第3火曜日に、3カ月後の予約枠を開放いたします。

※第3火曜日が祝日の場合は、予約開放日を翌日(第3水曜日)に繰り越しさせていただきます。


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毎月第3火曜日~金曜日 14:00~16:00(※祝日除く)


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初診の方

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手外科外来<予約制>

青背景の先生はウェブ予約が可能です

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午後

平瀬

平瀬

平瀬

平瀬

診察なし

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平瀬

平瀬

平瀬

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当クリニックは16歳以上の方が対象です。

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疾患別のおもな対応

ばね指・腱鞘炎
  • こういう疾患です

指が動かしにくい、動かそうとするとひっかかるようなバネ現象が見られます。進行すると指は曲がったまま伸びなくなります。中指と母指に多くおきますが、どの指にも起こりえます。更年期・妊娠時・産後の女性に多いですが、男性にも起こります。糖尿病・透析患者にも多くみられます。

  • おもな症状
    • 指がカクカクする
    • 曲がったまま伸びないし、曲げられない
    • 指の付け根が痛む
  • 疾患のしくみ

指を曲げる屈筋腱は腱鞘というトンネルのような筒の中を滑走しています。何らかの原因で腱や腱鞘が腫れると腱の通過障害が起き、指が動かしにくくなります。

  • 治療方法

局所の安静が必要です。また、多くの場合、ステロイド剤を腱鞘内へ局所注入することで効果を示します。数回のステロイド剤局所注入を行っても繰り返し発症する場合は手術の適応となります。手のひらの小さな切開から狭窄した腱鞘を切開します(腱鞘切開術)。この手術でほとんどの患者さんの症状がよくなります。しかし、一部の患者さんで痛みが続く場合があります。これは長年の腱の炎症により、指の関節に緊張がかかった状態が続いていることが原因です。このような患者さんには、屈筋腱(指を曲げる腱)を1本切離する手術(浅指屈筋腱切除術)を行います。屈筋腱は1本の指に2本ずつ存在するため、指が曲がらなくなることはありません。腱切離術後は少し細かい動きができなくなりますが、数か月で慣れますし、何より痛みがなくなるため、指が使いやすくなります。

ドケルバン病
  • こういう疾患です

手首の母指側に腫れと痛みが生じます。母指を伸ばしたり、曲げたりすると疼痛は増強します。

  • おもな症状

親指側の手首が痛くて物がつかめない

  • 疾患のしくみ

この部分には第一コンパートメントという腱鞘があり、その中を短母指伸筋腱と長母指外転筋腱という親指を動かす腱が2本滑走しています。腱鞘が肥厚すると腱の滑走が障害され炎症(腱鞘炎)がおきます。パソコン作業を多く行う人やスポーツマンなど、母指をよく使う人にも多くみられますが、妊娠時・産後・更年期のエストロゲンが低下している女性に多くみられ、女性ホルモンのゆらぎや低下との関連が考えられています。この年代の女性が新生児の首を押さえながら抱っこするなど、母指で何かを長く支える姿勢を続けると発症しやすいです。

  • 治療方法

症状の程度によりますが、軽症であれば、安静やエクオール含有食品(サプリメント)が有効です。母指と手首に包帯やサポーターを巻いて母指の動きを制限するだけで効果があります。冷湿布も効果があります。中等症以上では、ステロイド剤の腱鞘内への局所注入が劇的に効果を示します。

手術方法としては小切開からの腱鞘切開があります。エクオール含有食品(サプリメント)の摂取やステロイド剤の局所注入の効果があるため、最近は手術例が減少しつつあります。

へバーデン結節
  • こういう疾患です

指の第1関節(DIP関節)が腫れたり曲がったりして痛い。痛みのために手指を強く握ったりできない。形が悪く、人前に指をだしたくないという患者さんも多くおられます。水ぶくれのような膨らみ(粘液嚢腫)が出てくることもあります。

  • おもな症状
    • 指の第1関節が変形してきた。
    • 変形はあまりないが、腫れてとても痛む。
  • 疾患のしくみ

一般に40歳以降の女性に多くみられ、女性ホルモンのゆらぎや低下が原因の一つと考えられています。関節の変形だけでなく、痛みが強く出ることもあり、日常生活に支障をきたします。X線では関節の変形、関節裂隙(かんせつれつげき)の狭小、骨棘(こつきょく)がみられます。

  • 治療方法

初期であれば、エクオール含有食品(サプリメント)の摂取やテーピングが有効です。また、変形性関節症の患者さまには冷え性の方が多いので、末梢循環改善剤の投与が効果を示す場合もあります。テーピングだけでは痛みが引かない場合はステロイド剤の関節注入が効果的です。これらの保存療法が効かない場合や変形が高度な症例では、手術によりDIP関節の形成あるいは固定を行います。固定はスクリューを用いて行います。術後、DIP関節は動かなくなりますが、二番目の関節が正常に動いていれば、痛みなく指が動かせるようになり日常生活は非常に楽になります。

ブシャール結節
  • こういう疾患です

指先から2番目の関節(PIP関節)がこぶ状に膨らんで指が曲がって変形してきます。痛みが強い場合も全く痛みのない場合もありますが、関節の変形が進行すると曲がりにくくなります。

  • おもな症状
    • 指の第2関節が腫れて痛み、指が曲げにくい。
    • 指の第2関節が太く変形し、小指側に曲がってきた。
  • 疾患のしくみ

閉経前後あるいは更年期以降の女性に多く見られます。軟骨の変性により、レントゲン撮影では関節裂隙(かんせつれつげき)の狭小化、骨棘(こつきょく)形成がみられます。家族内発生が多くみられ、放置されている腱鞘炎を持っている場合もあります。女性ホルモンのバランス異常が背景にあります。

  • 治療方法

保存治療として、エクオール含有食品(サプリメント)、末梢循環改善剤(ビタミン剤内服)や消炎鎮痛剤(塗り薬)を投与します。また、ステロイド剤の関節内注射も疼痛緩和に効果があります。保存治療で改善がない場合、もしくは改善してもすぐに再燃してしまう場合、手術療法が適応となります。

手術療法には、症状に応じて主に3通りの方法があります。腱鞘炎が原因と考えられる軽症~中等症例では、腱鞘切開術や浅指屈筋腱切除術(指を曲げる腱の1本を切除)を行います。指の動きは大きく変わりませんが、指が動かしやすくなり、疼痛緩和に効果があります。一方、関節の変形が高度な重症例では、PIP関節を人工関節に置換する手術(人工関節置換術)を行います。当院ではシリコン一体型インプラントを使用しています。人工関節置換術は、破壊された関節を切除し除痛をはかること、弛緩した軟部組織を修復し可能な限り変形を治すこと、可動性のある人工関節を挿入することで失われた関節機能を改善することを主目的に行なわれます。関節の動きの改善には個人差がありますが、動きを改善させたい場合には人工関節置換術が適応となります。また術後のリハビリテーションも重要となります。

母指CM関節症
  • こういう疾患です

ものをつまむ時や瓶のふたを開ける時などに親指の付け根に痛みが出ます。動作時に痛みが出ず、動作後に痛みが強く出ることもあります。進行すると親指のつけ根の関節(母指CM関節)が突出した変形がおき、親指が開きづらくなります。さらに進行すると親指の第2関節(MP関節)が過伸展し、この関節にも疼痛を生じるようになることがあります。

  • おもな症状

親指の付け根が痛くて、瓶のフタやペットボトルが開けられない。

  • 疾患のしくみ

母指CM関節は馬の鞍のような形の関節で、多方向に可動性を持ちます。このため、不安定性がおきやすいとされており、関節周囲の靭帯がゆるみやすく、変形性関節症へ進行すると考えられています。症状が進行すると亜脱臼が進んだり、CM関節の関節軟骨が摩耗したりして変形を生じます

  • 治療方法

保存療法には、エクオール含有食品(サプリメント)の摂取や消炎鎮痛剤の内服、ステロイド関節内注射、不安定性を抑えるための固定装具があります。これらで症状が改善しない、もしくは改善してもすぐに再発してしまう場合や変形が進行した症例では手術療法が適応となります。

手術療法には、関節固定術と関節形成術があります。関節固定術は痛みの出ているCM関節をチタン製のスクリューで固定する方法で、雪かきなどの力強い作業が多い方に適応となります。痛みはなくなりますが、関節を固定するため、親指を閉じることが難しくなります。一方、関節形成術は、痛みの原因となっている骨のうち、大菱形骨を全部もしくは部分的に摘出し、第1中手骨を人工紐で第2中手骨につり上げます(suture button suspension)。ピンチ力や握力が低下することがありますが、関節の動きを温存できるため、力強い作業よりは細かな作業をされる方に適応となります。この手術は低侵襲化が進んでおり、最近では、関節の状態により大菱形骨を摘出しない症例も出てきました。また、MP関節が過伸展した進行例では、MP関節をワイヤーで3週間まっすぐに仮固定をすることがあります。3週間の仮固定で過伸展がとれなそうな場合は、チタン製のスクリューでMP関節固定を行なうことがあります。

手根管症候群
  • こういう疾患です

手根管症候群では、親指から薬指の親指側の指尖部にしびれや痛みが出ます。特に夜中の2−3時や明け方に症状が強く、痛みで目を覚ます方もいらっしゃいます。朝起きたときには手がこわばっていることも多く、手を振ると楽になります。症状が進むと感覚が低下し、熱いものを触っても熱いとわからなくなってしまいます。さらに放置すると、親指の付け根の筋肉(母指球筋)がやせ、お箸使い、書字、ボタンかけなどが困難となり日常生活に大きな障害が出ます。また、手首のところで神経が圧迫されることが原因であるにもかかわらず、肘や肩の痛みやだるさを訴える方もおられます。

初診時の診察で手根管症候群の診断は大方つきますが、より正確な診断のためにレントゲン撮影やCT撮影、神経伝導検査を行う場合があります。

  • おもな症状
    • 親指から薬指がしびれる。
    • 深夜痛みで目がさめる。
    • 朝起きたときに特につらい。
    • 親指でボタンかけなどの作業がしづらくなった。
    • 疾患のしくみ
  • 疾患のしくみ

手掌の付け根に、手首の骨(手根骨)と靭帯(横手根靭帯)に囲まれた手根管というトンネルがあります。このトンネルを9本の腱と1本の神経(正中神経)が走っています。更年期などでホルモンバランスの異常が起きると、腱周囲の滑膜が腫れます。初期では横手根靭帯のしなやかさが保たれており、横手根靭帯が伸びることで内部の圧を逃がすことができますが、滑膜の腫れが強くなると圧を逃がしきれず、正中神経を圧迫し、発症します。このパターンは更年期の女性に多くみられ、ホルモンバランスの異常が関連しているため、エクオール含有食品(サプリメント)の内服などが有効です。

一方、横手根靱帯が肥厚して硬くなってしまっている場合は、内部の圧を逃がすことができず、すぐに正中神経を圧迫し、発症します。このパターンでは、保存的治療があまり効かないことが多く、手術治療の対象となります。

初期では感覚神経だけが障害されることが多いですが、母指球筋を支配する運動神経も障害されることがあります。この場合も保存的治療では改善が見込めないため、手術療法の対象となります。

  • 治療方法

初期の手根管症候群に関しては、エクオール含有食品(サプリメント)の摂取やステロイドの手根管内注射が効果的です。しかし、これらの治療を行なっても改善がみられない場合や、治療に反応してもすぐに症状が再燃してしまう場合、母指球筋の萎縮が進行してきた場合などは、手術療法の対象となります。

手術療法では、横手根靱帯を切開し、正中神経の圧迫を取り除きます。当院では手の平に2cm程度の切開を置き、この手術を行なっています。5mm程度の創部から内視鏡を使って行なう施設もある中、わざわざ2cmの創部を作って手術をしているのにはいくつか理由があります。横手根靭帯をただ切離しただけでは、この切断端が正中神経へ癒着することがあり、後に症状の再発が起こることがあります。当院では癒着を起こしやすい親指側の切断端を2mm切除し、再発予防としています。また母指球筋へ行く運動神経を確実に温存し、特殊な筋肉(破格筋)やガングリオンを切除するなど、より確実な手術を行なうには、直視下に手術することが重要です。これ以外の部分については関節鏡を用いて神経を開放していますので、以前のような前腕までの長い皮切を置く必要はなくなりました。しかし広範囲に滑膜が腫脹している場合など、直視下に手術すべき場所が広い場合には、皮切をさらに拡大する必要があります。

また、周囲からの圧迫により、神経自体が硬くくびれたようになっている場合などは、神経を十分に剥離してきます(神経剥離術)。これにより、よりすみやかで確実な神経回復を期待できます。

母指球筋が萎縮した症例では、母指球筋へ向かう細い神経もしっかり剥離する必要があります。萎縮してから長期間経っていなければ、母指球筋の回復も期待できます。

時間のかかる治療ですので、すぐに親指を動かせるようになりたいという場合には、腱移行術を同時に行なうことも可能です。

医師の紹介

平瀬 雄一

東京ミッドタウンクリニック
担当診療科:手外科外来

                       
認定資格・所属学会
日本手外科学会専門医・指導医
日本形成外科学会専門医・領域指導医
皮膚腫瘍外科分野指導医(日本形成外科学会認定)
身体障害者福祉法第15条指定医(東京、千葉)
医学博士
日本手外科学会特別会員
日本マイクロサージャリー学会 評議員
日本形成外科学会
米国形成外科学会Corresponding member
米国手の外科学会International member
米国マイクロサージャリー学会Associate member
国際手の外科連合
国際マイクロサージャリー学会
略歴
東京慈恵会医科大学卒業
米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校に留学、
Harry Buncke教授に師事
慈恵医大講師
米国サンフランシスコ市デービスメディカルセンター客員教授
慈恵医大柏病院形成外科医長
埼玉成恵会病院(埼玉手の外科研究所)形成外科部長
横浜市立大学医学部非常勤講師

  • 受診希望月の3カ月前からご予約を承っております。
  • 毎月第3火曜日に、3カ月後の月の予約枠を開放いたします。
  • 第3火曜日が祝日の場合は、予約開放日を翌日(第3水曜日)に繰り越しさせていただきます。

他の診療科

安心の検査体制

①スピーディな院内検査

血液検査、尿検査、心電図、レントゲン、超音波検査などの検査機器と専門スタッフを配置しており、症状の原因を複合的に調べます。

②一般的な血液検査の結果は当日にお渡し

院内に臨床検査室があるため、腫瘍マーカーなどを除く一般的な血液検査項目は1時間程度で結果が出ます。

③幅広い精密検査に対応

3.0テスラMRI、80列マルチスライスCTなどの検査機器を取り揃え、様々な症状の精密検査に対応します。

ワンフロアで総合サポート

当クリニックの各診療科や外部医療機関と連携し、適切な治療やサポートをチームで提供します。同じフロアに東京ミッドタウン皮膚科形成外科Noage(ノアージュ)、東京ミッドタウンデンタルクリニック、ヘルスケアショップTMMC Plus、調剤薬局などもございます。