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Vol.27(2023/07/21)当クリニックの陽性率/日本・世界の死亡者数/コロナワクチンの副作用報告・接種について/感染症状と重症化について ほか

新型コロナウイルス感染症が『5類』に移行されてから2か月ほど経過しました。現在は再び感染者数が拡大し「第9波」の到来が懸念されていますが、果たしてどうなのか。実データを見ていきます。その他、国内におけるワクチンの副作用報告やワクチン接種、重症化リスクに関する最新情報などをまとめます。

今号をもってコロナニュース配信は終了となりますが、今後も国内外の感染症動向を追いながら、最新情報をお届けしてまいります。

[1]東京ミッドタウンクリニック 感染抗体陽性率

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  • ●2022/11/15-12/14    検査数:88 陽性率:56.82%

  • ●2022/12/15-2023/1/14 検査数:80 陽性率:45%

  • ●2023/1/15-2/14     検査数:63 陽性率:44%

  • ●2023/2/145-3/14     検査数:62 陽性率 :45%

感染抗体保有率は、最近では45%-50%でした。

ちなみに2023年3月に厚労省が発表した抗体保有率は、 2月時点では、全国で42.3%でした。
年代別では16歳から19歳が62.2%、20代が51.6%、30代が52.2%と30代以下では2人に1人以上となりましたが、40代は46.0%、50代は36.7%、60代は28.3%と年代が上がるほど低い傾向が見られました。

地域別では、福岡県が59.4%、沖縄県が58.0%などと高かった一方、岩手県は27.4%、福島県は31.7%などと地域によって差が見られています。また、東京都は42.2%、大阪府は50.2%、愛知県は51.8%でした。

出所:新型コロナ感染による抗体保有率 全国で42.3% 厚生労働省(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230324/k10014017771000.html

[2]日本の発生者数

最近やや増加傾向ともいわれていますが、全体数は下記のように落ち着いてきていると考えられます。

新規発生者数:2022年7月以降

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重症者数:2022年7月以降

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死亡者数::2022年7月以降

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日本の超過死亡数は少ないと考えられていますが、2021年以降はやや増加していました。

出所: データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-(厚生労働省)
https://covid19.mhlw.go.jp/

[3]世界のCOVID19 死亡者数グラフ

2022年夏以降は減少していることが良くわかります。

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100万人当たりの超過死亡数
やはり日本や東アジアは超過死亡が少ないことがわかります。

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出所:Coronavirus tracker: the latest figures as countries fight the Covid-19 resurgence(Financial Times)
https://www.ft.com/content/a2901ce8-5eb7-4633-b89c-cbdf5b386938

[4]新型コロナワクチンの副作用報告(死亡例)

いろいろな情報がWEBでは飛び交っていますが、公式報告は下記の通りです。

12歳以上の死亡例の報告について
 対象期間までに、ファイザー社ワクチンについて1,829件(100万回接種あたり6.2件)、モデルナ社ワクチンについて224件(同2.7件)、武田社ワクチン(ノババックス)について1件(同3.2件)の報告があり。
報告例のうち4回目接種後の事例については、ファイザー社ワクチンで61件、モデルナ社ワクチンで27件、武田社ワクチン(ノババックス)で0件であり、5回目接種後の事例については、ファイザー社ワクチンで67件、モデルナ社ワクチンで3件、武田社ワクチン(ノババックス)で0件でした。
報告例のうちオミクロン株(BA.1)対応ワクチン接種後の事例はファイザー社で8件、モデルナ社で5件あり、オミクロン株(BA.4-5)対応ワクチン接種後の事例はファイザー社で85件、モデルナ社で1件ありました。
 なお、死亡事例の報告のうち、ワクチンとの因果関係が否定できないとされものは1件でした。

出所:新型コロナワクチンの副反応疑い報告について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou-utagai-houkoku.html

[5]令和5年のワクチン接種に関して

ワクチン接種は、対象者を絞って、続けられています。

令和5年春開始接種は、1人1回限り受けることができます。
 対象は、以下を全て満たす方です。
▷日本国内で初回接種(1回目・2回目)が完了している方又はそれに相当する接種が完了している方。

▷以下の(1)~(3)のいずれかに該当する方であること。
(1)高齢(65歳以上)の方
(2)5歳~64歳で基礎疾患を有する方等
(3)医療従事者等及び高齢者施設等の従事者

▷前回の接種から、以下の一定期間が経過していること。
●ファイザー社及びモデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチンを接種したい場合:3か月以上
●武田社(ノババックス)の従来ワクチン(1価)を接種したい場合:6か月以上

▷ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン:5歳以上の方が対象です。(5~11歳の方は小児用オミクロン株対応2価ワクチンのみ使用します。)

▷モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン:12歳以上の方が対象です。

▷武田社(ノババックス)の従来ワクチン(1価):12歳以上の方が対象です。

出所:〔追加接種〕令和5年春開始接種についてのお知らせ(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_spring2023.html

[6]COVID19感染症状と重症化について

新型コロナに関して、2022年4月25日からの半年間、札幌市の患者約15.8万人分のデータ分析レポートです。この期間の後半は、いわゆる「第7波」にあたり、その時点ではかつてない感染規模となっていました。

北海道大学医学研究院呼吸器内科学教室の中久保祥氏らは、札幌市で新型コロナウイルス感染症(COVID-19) と診断されて療養判定システムに登録された15万人以上のデータを用い、オミクロン株の亜系統やワクチン接種歴などによる症状の新たな特徴を解析。ワクチン接種による症状の変化に加え、高齢者の症状の特徴と重症化リスクとの関連などをLancet Infect Dis(2023年6月30日オンライン版)に報告した。

重症化リスクは全身症状例で高く、上気道症状例で低い
検討の結果、全体の症状としては咳(62.7%)、咽頭痛(60.7%)、鼻汁(44.3%)が多く、BA.2の流行期と比べBA.5の流行期では発熱や頭痛、強い疲労感、食事摂取量の減少、関節や筋肉の痛みなどの全身症状が多かった。また、ワクチン3回以上の接種例では、2回以下の接種例に比べて症状有病率が低く、全身症状の頻度も低いものの、鼻汁や咽頭痛などの上気道症状は高頻度に見られた。65歳以上の高齢者では全体としては症状が現れにくいが、全身症状がある例では重症化しやすく、上気道症状がある例では重症化しにくいことも示された 高齢者では特に全身症状のうち、呼吸困難(調整オッズ比3.01、95%CI:1.84~4.91)、食事摂取量の減少(同2.38、1.54~3.69)、強い疲労感(同1.90、同1.20~3.01)の3症状の組み合わせが重症化のリスク上昇と関連していた。一方、咽頭痛(同0.38、同0.24~0.63)と鼻汁(同0.48、同0.28~0.81)は重症化リスクの低下と関連していた

出所:メディカルトリビューン 医療ニュース2023年07月11日 11:17掲載「新型コロナ・症状の新たな特徴を解明」
https://medical-tribune.co.jp/news/2023/0711557455/

[7]重症化例のご紹介

60歳台男性で最近新型コロナ感染に罹患した方の胸部レントゲンおよびCT検査の画像です。
この方はワクチン接種歴がありませんでした。症状は上記のように発熱と全身倦怠感、咳であり全身症状が強い方でした。(ご本人の許可を得て提示します)

肺や全体に広がる陰影と、CTでは特徴的な多数の斑状陰影を認めます。
この方は入院治療後に改善しましたが、やはり皆さん今後も注意が必要です。

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