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Vol.1(2020/3/31)日本の状況/世界の状況/新規治療の可能性/ほか

新型コロナウイルスに関するさまざまな情報が日々錯綜している中、医師の視点から皆様に信頼できる情報をピックアップしてお届けしてまいります。

なお、以下掲載内容に関しては330日時点の情報となります。予めご理解いただきますようお願い申し上げます。

1)日本の状況

2)世界の状況

3)新規治療の可能性

4)今できること

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1】日本の状況

現在の日本の状況は甘くありません、非常に危険な状態です。

東京都の陽性患者数は日々増えています。有名人の罹患も相次ぎ、残念ながら志村けんさんの訃報も伝えられました。

政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の委員を務める、北海道大学大学院医学研究院教授西浦博氏の「保健医療従事者向けのメッセージ」から抜粋します。新型コロナウイルスの特徴について端的に記されています。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200324-00010000-mthree-soci&p=1

出典:ヤフーニュース

大きな流行が起こると、都市の封鎖を伴うことに加えて、皆さまの近しい方々も感染や命の危険にさらされてしまうのです。加えて、COVID-19は感染から発症まで平均5日程度、発症から診断されるまで平均7日程度とされており、無症候性の感染者も少なくないことから、感染者数の急激な増大にリアルタイムで気づくことができないのがこの感染症の難しさです。

(中略)

今、海外で流行が増大しているため、状況は1月以降、これまでの2カ月半よりも厳しい状態にあります。それは1月から2月上旬に中国および中国帰りの渡航者を端緒として始まった流行の比ではありません。非常識を承知で分かりやすいようにミサイルで例えると、1月から2月上旬は短距離ミサイルが5~10発命中した程度ですが、この3月のパンデミックの状況というのは空から次々と焼夷弾が降ってきているような状態です。

それでは、私たち一般市民としては何に注意したら良いか、というと、既にご承知の方も多いかと思いますが、手洗いを高頻度で行うこと、咳エチケットを行うこと、「換気の悪い密閉空間」「多数が集まる密接場所」「間近で会話・発声をする密集」の3つを避けること等、基本的な行動をとることに尽きます。

【国内情報(厚生労働省サイト)】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

【新型コロナウイルスを防ぐには(掲示資料)】

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000599643.pdf

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2】世界の状況

以下、世界の死亡者数グラフです。(対数)

https://www.nytimes.com/interactive/2020/03/21/upshot/coronavirus-deaths-by-country.html

出典:NY times (3/30時点のグラフを一部加工)

グラフ1.png

このグラフからは、①日本と韓国はなだらかであること、②中国は急激に上昇したが、その後なだらかであること、③米国は当初なだらかだったが、↑の頃を境に急激に上昇していること、④他の国は最初から急激に上昇していること、が分かります。

日本においては、米国のような急激な上昇に転じることのないように対策が急がれています。

また、世界の新型コロナウイルスの遺伝子型を調べたのが次の図です。中国・アジア型、欧州型、米国型は異なっているようです。この新型コロナウイルスは遺伝子変異を続けていますつまり、日本で中国型を抑えられても、欧州や米国から来た型を抑えられるかどうか不明です。

image0331.jpg

海外情報サイト(*英語表記です)

https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/index.html

https://www.coronavirus.gov/

https://www.nhs.uk/conditions/coronavirus-covid-19/

https://www.jointcommission.org/covid-19/

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3】新規治療の可能性

大阪大学発のベンチャー会社:アンジェス社は324日に下記のワクチン開発に関する発表を行いました。世界中で開発されているワクチン候補の一つで、まだ臨床データが無いことにご留意ください。

◆アンジェス、大阪大学が手掛ける新型コロナウィルス(COVID-19)向け DNA ワクチン共同開発: 非臨床試験用(動物向け試験用) プラスミド DNA ワクチン製造完了

プラスミド DNA ワクチンの原薬が完成し、動物への投与を行う非臨床試験準備が整いました。

◆プラスミド DNA 製品の開発実績を 生かし、コロナウイルスの予防用 DNA ワクチンは、不活化ウイルスをワクチンとする方法(弱毒化ワクチン)や遺伝子組換えウイルス タンパク質をワクチンとする方法に比べて、短期間で製造プロセスを確立することが可能です 。

DNA ワクチンは、危険な病原体を一切使用せず、安全かつ短期間で製造できる特徴があります。対象とする病原体のたんぱく質をコードする環状 「DNA(プラスミド)を接種」することで、病原体たんぱく質を体内で生産し、 病原体に対する免疫を付与します。弱毒化ワクチンとは異なり、病原性を全く持たないため、安全です。

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4】今できること

◆おすすめの免疫機能向上『ビタミンD

ビタミンDは、筋肉や骨の成育を保つために必須の栄養素ですが、最近では、インフルエンザ、花粉症、癌、ウイルスによる呼吸器感染など、免疫機能の向上のために注目されている栄養素です。

本来、紫外線を浴びることによって体内で合成されますが、紫外線対策が充実した現代において、 日本人の 2/3 が不足している と言われています。

◆ 論文結果概要(*英語表記です)

ビタミンD サプリメントの効果を 、 11000 人に対して偽薬と比較して検討した論文 があります 。

ビタミンD サプリメントは 急性呼吸器感染症のリスクを全体で 12% 低下 させました 。

毎日サプリメントを服用している人では19 %も低下 させました 。

特にビタミン D 不足の人で調べると 、70% もリスクを低下 させたそうです 。

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皆様の健康を第一に考え、今後とも「新型コロナウイルス肺炎」に関する情報はウエブサイトを含め、メールマガジンなどでも配信を予定しています。

東京ミッドタウンクリニック 院長 田口淳一