学術業績

田口淳一総院長が「第26回日本抗加齢医学会総会」ランチョンセミナーに登壇しました

2026年6月27日(土)に開催された「第26回日本抗加齢医学会総会」のランチョンセミナーにて、医療法人社団ミッドタウンクリニック理事長、東京ミッドタウンクリニック総院長である田口淳一医師が登壇しました。

本セミナーのテーマは「エピゲノム※ × AI は老化を解明するか? 介入個別化と臨床応用」です。(※エピゲノム=DNAの並び順(塩基配列)を変えずに、遺伝子のオン・オフを切り替えて働きを調節する仕組み)
座長は伊藤裕氏(慶應義塾大学 予防医療センター 特任教授、慶應義塾大学 名誉教授)が務め、堀江重郎氏(順天堂大学 大学院医学研究科 創造長寿医学講座 特任教授)、八谷剛史氏(順天堂大学 創造長寿医学講座/Epigenetic AI 執行役員 チーフサイエンティスト)とともに、田口医師が登壇者の一人として発表を行いました。

講演では、加齢に伴う変化を捉える人間ドックの可能性について、AIによる既存データの再解析や、予防医療における個別化介入の重要性を中心に取り上げました。

田口淳一医師 発表内容

「異常なし」の先に、何を提示できるか

人間ドックの運営に携わる立場から、日本の人間ドックはCT・MRI検査や内視鏡検査などの網羅性において高い水準にあることを紹介しました。

一方で、健康意識の高い受診者ほど検査結果が「異常なし」で終わることが多く、医療機関としてその先に何を提示できるかが問われている、という問題意識も示されました。従来の「異常なし」という結果にとどまらず、将来の健康づくりに向けた次の示唆をどのように提供していくかが、これからの人間ドックにおける重要な課題となっています。

「病気の発見」から「加齢に伴う変化の把握」へ

これまで人間ドックは、がん、脳血管疾患、代謝性疾患などの早期発見を主な役割として発展してきました。田口医師は、こうした役割に加え、病気に至る前の段階である加齢に伴う変化や臓器ごとの状態を把握し、予防医療や一人ひとりに応じた介入につなげていくことの重要性を説明しました。
講演では、加齢に伴う身体機能の変化を捉える視点として、フレイルや脳の健康評価にも言及しました。年齢とともに変化する筋肉量や認知機能、全身状態をより早期に把握することで、受診者自身が現在の状態を理解し、生活習慣の見直しや必要な医療的サポートにつなげていく重要性を示しました。

既存データをAIで再解析する取り組み

具体的な方向性として示されたのが、これまで人間ドックで蓄積してきたCT、心電図、MRIなどの検査データをAIで再解析する取り組みです。従来の読影・判定に加えて、これまで十分に活用しきれていなかった情報を、新たな評価指標として活用できる可能性が示されました。
一例として、CT画像から骨格筋の密度や内臓脂肪の状態を評価する試み、心電図データを詳細に解析することで心臓の状態を推定する試み、MRI画像から脳の萎縮や白質病変などの変化を定量的に把握する試みなどが紹介されました。
これらはいずれも、既存の検査を活用しながら、病気の有無だけでなく、加齢に伴う身体の変化をより多面的に把握するための取り組みです。

血液バイオマーカーを活用した脳の健康評価

講演では、脳の健康評価における血液バイオマーカーの活用についても触れられました。画像検査による評価に加え、血液から得られる情報を組み合わせることで、脳の健康状態や将来的なリスクをより多角的に評価できる可能性について紹介されました。

こうした取り組みは、単一の検査結果だけで判断するのではなく、画像、心電図、血液データなど複数の情報を統合し、受診者一人ひとりの状態をより精密に評価していく方向性を示すものです。

評価・フィードバック・介入・再評価のサイクルを目指して

今後の予防医療においては、状態を可視化するだけでなく、評価に基づくフィードバックを行い、必要に応じた介入につなげ、その変化を再評価していく循環的な仕組みが重要になるとの考えを示しました。
また、東京ミッドタウンクリニック、東京ミッドタウン先端医療研究所、東京ミッドタウン皮膚科形成外科Noage、東京ミッドタウンデンタルクリニックなど、同一エリアに集積する医療機能を連携させながら、受診者お一人おひとりの状態に応じた予防医療・加齢対策に包括的に取り組んでいく方向性についても言及されました。

セミナーの後半では、登壇者によるパネルディスカッションも行われ、老化研究における個別化医療の重要性をめぐる議論が交わされました。

当クリニックは、今後も学会活動を通じて得られた知見を踏まえ、病気の早期発見にとどまらず、加齢に伴う変化をより早期に捉え、お一人おひとりの健康づくりを支える予防医療の実践に取り組んでまいります。

※当ページの内容は「2026年7月7日」時点の情報です。