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「せん妄」は 高齢者によく見られる状態です。

監修:大蔵 暢 医師

■せん妄と認知症の違いとは?

せん妄とは、高齢者に多く発症する一種の意識精神障害。症状が認知症と似ていますが、せん妄は突然発症し、数時間から数週間にわたり症状が継続します。症状が時間とともに変化するのもせん妄の特徴です。

5分前はせん妄状態だった方が、今は正常な精神状態であることがよくあり、継続的あるいは短時間に何回も観察しないと見逃してしまいます。現状では、このような特徴を理解している医療者がそれほど多くないこともあり、せん妄の社会的な認知は遅れています。

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■せん妄の原因とは?

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明確な原因は解明されていませんが、高齢者特有の「虚弱な状態」に、何らかの身体的、心理的な引き金因子が加わることで起こると考えられています。

「虚弱な状態」となる原因のビッグ2は、「高齢であること」、そして「脳の機能低下があること(まだ認知症になっていない軽度な低下も含む)」。そこに、急病などの身体的ストレス、薬品に含まれる成分への反応、身内や友人の不幸などの心理的なストレスが引き金因子となり、せん妄が発症します。

旅行先や入院先で起こりやすいのも、環境の変化による心理的ストレスが引き金になったと考えられます。新しい薬が処方されたばかりのときには、それが原因である可能性がありますので、主治医にご相談されるとよいでしょう。

■せん妄が表われたら?

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残念ながら、予防法や治療法として確立されたものはありません。しかし、視力や聴力を矯正する、体調を整えるなど「虚弱な状態」を少しでも緩和したり、せん妄を起こしやすい薬をなるべく服用しない、生活や環境の変化を少なくするなど引き金因子から距離をおいておくことは、予防の一助になるはずです。

また、治療には光や音の過度な刺激を抑え、見慣れた物を周囲に置くなど安らかな環境で療養することが効果的でしょう。なお、せん妄が起きるということは、脳機能の低下が始まっていることが考えられますので、状態が落ち着いてから、認知症の検査を受けることを検討してください。家族や周囲の支えで、身体的・心理的な健康を維持することが大切でしょう。

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